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エボラブルアジア「民泊の需給ギャップは大きなビジネスになる」 吉村英毅(エボラブルアジア社長)

〔株〕エボラブルアジア代表取締役社長 吉村英毅

エボラブルアジア,吉村英毅
(画像=THE21オンライン)

今年5月、オンライン旅行業界で大規模なM&Aがあった。同業界において国内航空券取扱高首位の〔株〕エボラブルアジアが、同じくオンライン旅行会社で、同業界において海外航空券取扱高首位の〔株〕DeNAトラベルを買収したのだ。これにより、エボラブルアジアの航空券取扱高は約1,400億円となる。オンライン旅行会社としても、業界第2位へと躍進した。

急成長を続ける同社は、航空券販売の他にも様々な事業を手がけている。世間の注目を集めている民泊事業もその一つだ。どのような勝算のもとで取り組んでいるのか? 社長の吉村英毅氏に聞いた。

『エアトリ』の他にも多方面に展開。成長を支える4つの事業

――2007年の創業以来、御社は業容を拡大し続けてきました。

吉村 当社は、私と大石崇徳(取締役会長)が共同創業しました。それぞれ、学生時代に別々の企業を立ち上げて経営していたのですが、それらを統合したのです。

創業当初から手がけているのが、オンライン旅行事業です。DeNAトラベルの買収によって、オンライン旅行業界において取扱高で第2位になりました。国内のオンライン旅行代理店で、航空券単品販売会社としては、航空券取扱総額第1位です(2018年3月時点)。『エアトリ』というブランド名で展開し、テレビCMも流しています。

オンライン旅行事業のシステム開発のため、ベトナムに合弁で子会社を作ったのをきっかけに、2012年からITオフショア開発事業も始めました。ベトナムのITエンジニアのクオリティが高く、他社のシステム開発を受注すれば収益事業化できることがわかったからです。現在は、ベトナムのホーチミン、ハノイ、ダナンの3拠点で約1,000名のITエンジニアを正社員として雇用しています。東南アジアにおける日系のオフショア開発会社としては最大手です。

2016年には、オンライン旅行事業の隣接領域である、インバウンド関連事業も始めました。

加えて、投資事業も行なっています。IPOを目指している未上場企業に対するベンチャーキャピタル投資で、40社ほどに合計約20億円を、すべて自己資金で投資しています。今年3月に、IPOの第1号案件として、〔株〕和心が上場を果たしました。今後1年間ほどで、さらに数社が上場する予定です。

以上の4事業とは別に、成長のためにM&Aも行なっています。これまでに10社を買収しました。基本的には、DeNAトラベルのように、本業と近い事業をしている企業を買収することが多いのですが、時には〔株〕まぐまぐのように、本業とは離れていても成長が期待できる企業を買収することもあります。まぐまぐは上場の準備を進めているところです。

――成長のスピードが速いと思いますが、なぜ、急成長できているのでしょうか?

吉村 一つは、当初から私と大石が2人で経営してきたので、経営者が1人の企業よりも多くの案件を同時に進められたということがあると思います。

特に成長のスピードが速くなったのは、現在のCFO(柴田裕亮氏)、CMO(松濤徹氏)、COO(王伸氏)に入社してもらった2014年から15年にかけてです。いずれも、経験豊富で優秀な人材です。

16年に上場を果たしたことも、成長に弾みをつけたと感じています。お付き合いをする企業も増えましたし、資金調達の方法の多様性が増え、規模も大きくなりました。