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インターネット銘柄比較:ネットフリックスとグーグル

モトリーフール米国本社、2019年5月22日投稿記事より

ネットフリックス(ティッカー:NFLX)とアルファベット(ティッカー:GOOG、GOOGL)のグーグルは、それぞれの市場で支配的地位を築いています。ネットフリックスは、ビデオストリーミングのコンテンツを拡大し続けていて、数百万人規模の新規契約者を獲得しつつあります。

インターネット検索のリーダーであるグーグルは、Gメール、ユーチューブなどのサービスを幅広く展開しており、また、調査会社ブランド・ファイナンスによれば、グーグルは価値あるブランドとしては世界第3位です。今日の株価を前提として、両社を比較します。

インターネット銘柄
(画像=Getty Images)

ネットフリックス:コンテンツが全て

ネットフリックス株の魅力は、サービス価格を値上げできることかもしれません。同社は過去10年間に何度か値上げをしてきましたが、有料契約者数は2013年の4,143万人から直近四半期には1億4,886万人に引き続き増加しています。値上げによって、ネットフリックスはオリジナルの映画やTVドラマへの投資を続け、それが新たな有料契約者を増やし、増収につながります。そしてその恩恵を株主も享受します。

しかし、ネットフリックスの海外展開に伴いコンテンツコストは増加する一方です。昨年、同社はコンテンツ関連に130億ドルを投じており、今年もさらに150億ドルを費やす予定です。このため、ネットフリックスは料金を値上げし続ける必要があります。

値上げだけでは十分ではありません。近年ネットフリックスは何度か値上げをしてきましたが、それでも成長のための資金需要を賄うため、新たに103億ドルの負債を抱えています。ネットフリックスは黒字を維持しており、第1四半期の営業利益率は10.2%で、第2四半期の営業利益率も12.5%を見込んでいます。しかし、フリーキャッシュフローは急減し、第1四半期には30億ドルの赤字となりました。これに加えて負債の負担があります。

キャッシュフローの赤字は海外展開の布石を打つためなので、キャッシュ状況は今後改善すると予想されます。そして経営陣は徐々に利益創出を重視しつつあります。それでも同社株は実績PER125倍で取引されており、今後の成長を既に織り込んだ高い株価となっています。

グーグル:データが全て

グーグルのサービスは大量のキャッシュを生み続けています。アルファベットは、過去1年間に255億ドルのフリーキャッシュフローを創出し、1,130億ドルのキャッシュを有し、負債はごくわずかです。

この財務状況により、アルファベットは余裕をもって、配当支払い、自社株買い、新規分野への投資等を行ってきました。アルファベットは毎年数十億ドルをデータセンターに投じており、データ収集が全事業を加速させるエンジンとなっています。データを活用することで、地図、写真などを含むサービスをより便利なものにし、ユーザーが増えます。そしてユーザーがさらなるデータをもたらし、それをグーグルが分析することで、サービスをさらに充実させることができます。

この好循環を背景に広告収入が伸びており、昨年のアルファベットの売上高の85%を占めています。グーグルの中核プラットフォーム(アンドロイド、クローム、Gメール、グーグルドライブ、グーグルマップ、グーグルプレイ、サーチ、ユーチューブ)は、それぞれ10億人以上の月間アクティユーザー数を維持しています。最近の数四半期間では成長が減速しつつあるものの、過去5年間に売上高は2倍以上に増え1,420億ドルに達しました。

どちらを選択するか?

ネットフリックスの成長はアルファベットより速く、短期的にはその差は拡大しつつあります。今年のネットフリックスの増収率は、値上げの下支えにより28%と予想されていますが、一方アルファベットの増収率は17%と見込まれ、昨年の23%より低下するとみられます。

ネットフリックス(青)とアルファベット(オレンジ)の増収率(%、直近12カ月)

インターネット銘柄比較:ネットフリックスとグーグル
(画像=出典:YCHARTS。2019年5月21日時点)

一方、利益率はアルファベットの方が高く、現在の営業利益率は23%で、ネットフリックスは9.74%です。しかし、アルファベットの営業利益率の伸びが低下している一方、ネットフリックスの営業利益率は改善しつつあります。

ネットフリックス(青)とアルファベット(オレンジ)の営業利益率(%、直近12カ月)

インターネット銘柄比較:ネットフリックスとグーグル
(画像=出典:YCHARTS。2019年5月21日時点)

なお、アルファベットの利益率の低下は必ずしも悪いことではありません。これは、利益率の低い新規分野が立ち上がりつつあることを示唆しているからです。アルファベットは、顧客を離れさせないサービス形態およびグーグルブランドの強さにより広範な競争優位性を維持しています。

アナリストは、今後5年間は年平均成長率15.75%で利益が拡大していくと予想しています。ネットフリックスの成長は加速するかもしれませんが、弱まる財務状況とアップルおよびウォルト・ディズニーのストリーミングサービス参入の影響を考慮すると、投資家は割高な株価にそれだけの価値があるかを考える必要があります。

ネットフリックスは現在、予想PERの103倍で取引されており、ネットフリックス株の購入は、ストリーミング業界の変化を見極めるまで待っていても悪くないかもしれません。一方、アルファベットの予想PERは23.7倍で、成長率を考慮したPEGレシオ(PERを1株当たりの利益成長率で割った指標)も1.50倍で、ネットフリックスの2.26倍よりも低くなっています。

以上により、現時点においては、アルファベット株の方が優れていると考えられます。(提供:The Motley Fool Japan


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