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アフリカこそFinTech(フィンテック)先進国、2030年は経済の主役に?

少子高齢化が進む日本とは対象的に、2030年前後から本格的に人口ボーナス期(人口に対する労働力が豊富な状態)を迎えるアフリカ諸国。長期的な視点から市場が有望視されているアフリカにおいて、今FinTech(フィンテック)による経済成長が期待されているのをご存じでしょうか。

実は台風の目 アフリカのフィンテック

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(写真=J.Score Style編集部)

国際連盟によれば、アフリカ大陸の2017年の人口は約12億人です。それが、2030年には約17億人に増え、その7割を30歳未満が占めると予測しています。Z世代の若者が新しいテクノロジーやイノベーションを貪欲に受け入れることができれば、経済が活性化するスピードが指数関数的に上昇することが予想されます。

アフリカ諸国でフィンテックが有望視される背景を紐解くと、各国の人口の大部分を貧困層が占める点にあります。銀行口座を持てない層が多く、家族のために出稼ぎに行ったとしても、遠方の家族に賃金を送金できない点が問題とされていました。

「銀行口座を開設する」「他の手段を使って送金をする」という問題点がある中、ケニアでは世界で初めてモバイル送金ができるサービス「M-PESA(エムペサ)」が誕生しました。このサービスを開発したのが、ケニアの携帯電話会社サファリコムです。開発当初は自社の携帯電話を普及させるための付属サービスの位置づけでしたが、年々利用者が増えて2015年には1ヵ月あたり約19億ドルを送金するまでに大きく成長しました。

一方、それまでのアフリカでは貧困層が多く、モノやサービスは売れないとされていました。しかし、2000年から携帯電話が爆発的に普及し、加入者数は2005年の8,700万人から2015年には7億1,000万人にまで急増しました。もともと銀行口座を持たない、銀行にはあまり足を運ばない層が多かったこともあり、銀行口座を開設するよりも手軽で身近な存在であるM-PESAを活用する人数が増えたとも考えられます。

現在、M-PESAは送受金の他にも公共料金の支払いや小口保険、小口融資にまでサービスの範囲を広げ、人々の生活に浸透してきている状態です。今後、アフリカに住む人々の送金手段のひとつであるM-PESAと金融機関がどのように連携し、共存するのかに注目が集まります。

海外決済でもフィンテックの目

アフリカでは銀行口座を開設する層が少ないことは先程上述したとおりですが、銀行口座がないと送金しづらいと考えられる海外送金はどうでしょうか。実は、海外向け送金にもフィンテックが活用され、企業間の国際送金も可能です。2013年よりBitPesaがビットコインを活用して、企業間の海外送金サービスを行っています。

ブロックチェーンを活用していることもあり、2週間ほどかかる決済取引が即時に完了できるのが大きなメリットです。BitPesaが注目を集める理由として、価格変動リスクを負ってくれる点があげられます。一般的にビットコインでの取引を行う際には、送金中に価格が変動する可能性を考慮したうえで決済を行わなければいけません。しかし、BitPesaが送金中の価格変動リスクを負ってくれるので、利用する側にとってはメリットがあります。

このように、個人、法人ともにアフリカでは新しい送金サービスの形が徐々に生まれているのです。

アフリカでのフィンテック分野の取り組み

フィンテック分野では、この他にもさまざまな取り組みが行われています。KPMGのレポート「2016 フィンテック100 最も成功しているグローバルなフィンテックイノベーター」に南アフリカから初めて2社が選出されました。そのうちの1社であるEasyEquitiesは、少額でも株式投資が可能なサービスを運営しています。このサービスを使って投資した場合議決権は付きませんが、売却利益や配当を得ることはできます。

もう1社がZoonaです。同社は金融サービスを提供する起業家に、先端技術を駆使して安全に利用できるプラットフォームを提供しています。このプラットフォームは150万人が常時使用しており、1億ドル以上のモバイルマネーを取り扱っています。参加する起業家を増やすことで、仕事を見つけるのが困難な若者に雇用機会を与えています。

また、日本の起業家も活躍しています。東京に本社があるデジタルグリッドは、東京大学発の次世代送電技術を応用し、タンザニアの無電化地域に電力を提供しています。現地のキオスクに太陽光パネルや充電バッテリーを設置し、店舗はラジオやLED、ランタンなどを住人に貸与します。住人に充電に来てもらうことで課金する仕組みで、店舗で充電するたびにモバイル決済され、同社へ使用料が入る仕組みです。

フィンテックが進めばアフリカはどのように繁栄するのか

デジタルグリッドのCEO秋田智司氏は、農村では電化率が4%であるにもかかわらず、モバイル普及率が6割を超えることからビジネスヒントを思いついたといいます。それまで住人は充電するために充電ステーションまで1~2時間かけて通っていました。近くにあるキオスクで充電できるようになったことで、電気を効率的に得て、生活の質を高める効果があります。

アフリカは通貨の変動が激しく、過剰なインフレのリスクを抱えるため、仮想通貨のポテンシャルも高いといえます。例えば、BitPesaでは、ビットコインを使用して国外の企業との決済を簡便化しています。ビットコインはあくまでトークン(代用通貨)として利用しているため、ビットコインの価値が変動しても支払額は変わらないようになっています。

アフリカのフィンテックのポテンシャルに期待!

このようにアフリカ諸国では、さまざまなフィンテック技術が用いられています。フィンテックの普及で効率化が進むため、今後経済成長も期待できるでしょう。大多数を占める若者の創造性と先端技術を組み合わせることで、世界をけん引するフィンテック技術が生まれる可能性もおおいに考えられます。アフリカのフィンテックのポテンシャルに着目してみませんか。(提供:J.Score Style

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