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はじめしゃちょー「つらい経験、つまらない過去を“修正”すれば、人生はもっと楽しくなる」

小学校高学年で、いじめる側・いじめられる側の両方を経験

「過去は変えられない」というけれど、本当にそうなのだろうか? もちろん、起きてしまった事実を消すことは不可能だ。しかし、いま現在の行いや考え方を変えることで、過去の出来事に対する思いは変わるし、場合によっては、つらい経験を与えてくれた相手に感謝の気持ちが芽生えることだってあるものだ。

YouTubeのチャンネル登録者数が750万人を超える大人気動画クリエイター、はじめしゃちょーのインタビューでは、それを体現するかのような言葉が聞けた。

「僕は今、過去の経験でよくなかったと思うこと、つまらなかったと思うことを修正しているところなんです」

「修正」とはなんとも含蓄深いが、事実、「自分が楽しいと思うこと」を動画にして配信し始めてからは、やりきれない思いを抱えていた過去も「自分にとって必要なものだった」という認識に変わった。

では、はじめしゃちょーにとっての「つらい過去」には何が存在したかというと「いじめ」だ。 「いじめられていたのは小学5、6年生の頃です。といっても“周期的ないじめ”で、グループ内でターゲットがコロコロ変わっていたので、自分の番が来たときは『ついに来たか』という感じ。ある日突然、誰もしゃべってくれなくなるし、遠くからこちらを見ながらボソボソと悪口を言われていることがわかるんです」。

そうなるともはやなすすべはない。肉体的に痛めつけられるいじめと違ってはた目からは分かりにくいこともあり、担任をはじめとする周囲の大人たちは気付かないし、自分から助けを求めることもプライドが許さなかった。
「先生にも親にも知られたくなかったし、特に親は真実を知ったら悲しむはずなので、それも僕にとってはつらいことでした」 。

そのため、いじめられている間はただ黙ってやり過ごし、ターゲットが次に移るのを待つばかりだった。 ターゲットが次の誰かに移れば、はじめしゃちょー自身は「いじめられる」つらさからは解放される。しかしそれは同時に、「いじめる側のひとりとなる」ことをも意味した。

「僕自身がイニシアチブを取って誰かをいじめることはないものの、主犯格に意見すればまた自分がいじめられることは明らか。黙っているしかなかったし、いじめられている人を助けないことに罪悪感を覚えることもありませんでした」。

その後もターゲット探しはしばらく続いたが、中学生になるころには自然といじめはなくなっていた。

「今思うと、みんないじめを楽しんでいたわけじゃなかった。人と比べて自分が優れていると思いたくて自分以外の誰かをいじめていたし、誰かがいじめられていたら自分はいじめられないという安心感もあったんだと思います」。

人間に個性がある限り、いじめがなくなることはない

では、どうしたらいじめをなくすことができる? そんな意地悪な質問をぶつけてみたところ、はじめしゃちょーは、「いじめがなくなることはないと思います」と即答。

「みんなが同じ能力で同じ見た目だったらいじめは起きません。だけど人はみんな個性がある。だからひがみや劣等感が生じて、憂さを晴らすために相手をいじめるんです」。

だから、いじめられている間はひたすら耐え忍ぶしかなかった。これは自分との戦いだ。そう考え、嵐が過ぎ去るのを待っていたし、今同じようにいじめに悩んでいる人には、「少しでも気晴らしできる時間を提供したい」と心のよりどころとなるような動画の制作を意識している。

「いじめられている側だけじゃなく、いじめている側にも見てもらえたら本望です」。はじめしゃちょーの配信している映像の多くは、直接的に“いじめはよくないよ”と訴えているわけではないが、映像を見て「楽しい」と感じる時間が増えれば、考え方や行動にも変化が起きると信じているのだ。

「実際、『不登校から復活しました』『いつも元気もらっています』というメッセージをいただくことも多いんですけど、そういう言葉を聞くと、自分が楽しいと思ってやってきたことが、誰かの役に立っているんだとうれしくなりますね」

「いじめている側にも映像を見て楽しい気持ちになってほしい」というメッセージはなかなかすんなり出てくるものではないが、はじめしゃちょーは、自身がその立場に立った経験があるからこそ、両方の気持ちを考えるようになったと明かす。

「いじめる側・いじめられる側の両方を経験したことは、後々プラスになったと感じています。一度その立場に立つと、どんな気持ちで相手をいじめているのかがよくわかるから」。

壮絶ないじめに苦しんでいるなら、今すぐ誰かに助けを求めて!

ただし、いじめの程度はさまざまで、壮絶ないじめに苦しんでいる人がいるのも事実。「その場合は、少しでも早く周りの人に助けを求めて!」とはじめしゃちょーも念を押す。「相談するのは勇気が要ることだと思うけど、きっとなにかしらの手段を見いだせるから。僕自身の体感でも、いじめられている間は自分の力だけではどうしようもなかった。だから、耐えられるレベルを超えているなら、そこから逃げるのも一手だと思います」。

つらい経験から逃げ出しても誰からも責められることはないし、つらい時間があったからこそ、何気ない日常を幸せにする方法も見いだしやすくなる。

暗い過去を修正することで、今を生きる人を幸せにすることができる

今回の「10億円会議キャンペーン」参加に当たってはじめしゃちょーは、「地元富山のシャッター街があまりに寂しすぎる! なんとかして活気を取り戻したい!!!」とツイートしているが、このアイデアも、当時寂しさを感じていたからこそ生まれたものだ。

「このツイートを投稿した後、実際に美大生たちと一緒に地元のシャッターに絵を描きに行ったんです。そしたら塗っている最中から子どもたちが集まってきて、それだけで街の雰囲気がにぎやかになって、こっちまで気持ちが温かくなりました」

「過去の修正」のいいところは、修正を試みることによって、現在を生きる自分自身、そして周りの人をも幸せにできることにあるのかもしれない。

「周りの人を笑顔にするために自分に何ができるのか。すぐに答えが出なければ、自分の人生を振り返ってみることが有効ですよ」。

つらかった過去、悲しかった経験を修正したいと思うことは、自分と同じようなつらい目に遭う人をひとりでも減らしたいという気持ちとイコール。今の自分に何ができるのか、どうすればもっとみんなが生きやすい社会になるのか。そのヒントは、きっと一人一人の心の中にあるはず。

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