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つみたてNISAの銘柄変更で失敗しない方法

つみたてNISAで投資信託に投資中に、同じような運用成績でもっと手数料が安い商品があることを知ったとする。その場合、積み立て先を変更することはできるのだろうか?非課税枠の扱いは?この記事では、つみたてNISAの銘柄変更について紹介する。

つみたてNISAはスイッチングができない

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(画像=Ikon_Grafix/Shutterstock.com)

対象商品の新規追加や信託報酬の引き下げなどで、それまでよりも魅力的な投資信託が出てくることがある。その際、乗り換えることはできるのだろうか?結論から言うと、つみたてNISAで積み立て先の銘柄を変更することはできる。

たとえば、現在Aファンドに毎月3万円投資しているが、全額をBファンドに変更したい場合、Aファンドの積み立てを停止し、Bファンドを3万円に設定すればよい。これでつみたてNISAの銘柄を変更したことになる。

つみたてNISAでは、いわゆる「スイッチング」ができない。スイッチングとは、投資信託の入れ替えのことだ。iDeco(個人型確定拠出年金)では、50万円分のAファンドを50万円分のBファンドに置き換えることで、非課税のまま利用できる。しかしつみたてNISAでは今後積み立てる銘柄の変更はできるが、すでに積み立てた商品を置き換えることはできない。使い勝手が悪いと不評だが、無駄な回転売買を防ぐ目的もあるという。

設定から外したファンドは売却せず保有したままが良い?

銘柄変更というと変更前のファンドは売却するイメージがあるが、つみたてNISAに関しては売却せず、そのまま保有を続けるほうが税制上有利という説もある。なぜなら、売却した途端、その金額分の非課税枠は消滅してしまうからだ。

(1)今持っているファンドを売却せず、別のファンドに積み立て先を変更
 ファンドA → 積み立ての設定を止める(保有は継続)
 ファンドB → 新規追加

こうすることでファンドAが持つ非課税効果は最大20年維持することができ、さらには追加の資金投資がなくても今ある資産を複利効果で増やすこともできる。非課税効果を最大化するには保有を続けたほうがいいとされているが、一概に保有がいいとは言い切れない。それは次のような理由からだ。

(2) 今持っているファンドを売却し、別のファンドを購入
 ファンドA → 売却(売却益非課税)
 ファンドB → 新規追加

資金が十分にない場合は、中途半端な金額が残っているファンドAを売却して、ファンドBに集約したいケースもあるだろう。売却益に対する譲渡益税が非課税になるのもつみたてNISAの大きなメリットの一つなので、これを使わない手はない。配当金非課税と複利の効果は失われるが、投資資金が不足している、または値上がりによる含み益を利益確定したい場合は、売却して新規追加という選択肢もありだろう。

配分を変えて両方保有するという方法もある

インデックス型の投資信託で積立投資をしていると、好成績のアクティブ投信に目が行ってしまうことがよくある。しかしアクティブ型に完全に乗り換えるには勇気がいるものだ。そんな時は、配分を変えて両方に投資するという手がある。

たとえば、インデックス型に毎月3万円積み立てていたとしたら、今後はインデックス型で2万円、アクティブ型で1万円を積み立てるのだ。配分は毎月の上限額3万3,333円の中で自由に決めて構わない。

銘柄を変更することは問題ないが、つみたてNISAは長期投資を目的とした制度なので、あまり頻繁に変更することは推奨できない。また、投資可能額が年間40万円に限られるので、分散しすぎると個々の投資額が小さくなるうえに、管理に手間がかかるので注意したい。

信託報酬差が0.3%以上あれば銘柄を変更を検討

同じような運用成績なら信託報酬の安い投資信託を選ぶべきだが、わずか0.01%の違いでも銘柄変更をすべきだろうか。利回りが同じという前提で、乗り換えの目安になる信託報酬の差について考えてみよう。

つみたてNISAにおける信託報酬の上限は、国内資産を対象とするものは0.5%以下、海外資産を対象とするものは0.75%以下と決められている。信託報酬が2%以上のものが含まれる一般のNISAに比べるとコスト差は小さいが、長期になる分、最終的な影響は少なくない。

期待収益率が年間1%で、信託報酬の差が0.3%あるケースと0.1%のケースで、毎月3万円を20年間運用したと想定して費用総額を比較してみよう。

ファンドA(信託報酬0.1%/年)20年で55万93円の利益
ファンドB(信託報酬0.2%/年)20年で47万9,540円の利益 ←Aより 7万553円低い
ファンドC(信託報酬0.4%/年)20年で34万1,489円の利益 ←Aより20万8,604円低い

信託報酬差が0.1%しかないケースだと、20年間で7万円、年間3,000円強の違いでしかない。信託財産留保額(解約手数料)が一般的に評価額100万円に対し3,000円程度発生することを考えると、わざわざ手間をかけて銘柄変更をする必要はないかもしれない。しかし信託報酬差が0.3%以上あれば、乗り換えを検討してもいいだろう。

つみたてNISAの銘柄変更は可能だが最小限に

つみたてNISAは長期投資を目的とした非課税制度だが、必要に応じて銘柄を変更することができる。ただし一度使った非課税枠は売却しても元には戻らないので、度重なる変更は避けたほうが賢明だ。やはり、つみたてNISAを始める段階で慎重に銘柄選びをすることが大切である。

文・篠田わかな(フリーライター、ファイナンシャル・プランナー)/MONEY TIMES

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