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あなたはなぜ株で損をしてしまうのか?お金を生むために「重要な」3つのポイント

(本記事は、大家MASA氏の著書『大富豪サラリーマンの教え』サンライズパブリッシング、2018年10月25日刊の中から一部を抜粋・編集しています)

なぜ株式投資で損をしてしまうのか?

大富豪サラリーマンの教え
(画像=Antonio Guillem/Shutterstock.com)

株式投資は、数ある投資手法の中でも、証券会社の口座を開設して少額から比較的気軽に始められる手法だと思います。

高い志とロマンを持って取り組めば、資産が何倍、何十倍となる可能性を秘めています。

また、投資する企業や業界、経済情勢を見据えながら取り組むため、ものの見方、考え方が豊富になり自己の向上に繋がるという副次的な効果もあると思います。

しかしながら、2005年から始めた株式投資で新興市場の個別銘柄に投資していた私は、ライブドアショックで最初の会社の退職金をものの見事に失いました。

行動経済学の「プロスペクト理論」では、人は「得した喜び」より「損した苦しみ」を2倍以上に感じると言われています。

事実、私も自分の持ち金のほとんどを失った時の苦痛は強烈なもので、立ち直るのに相当の時間を要しました。

株は買って上がったら、「さらに儲かる」という期待以上に「下がって損をする」という不安感のほうが大きくなります。だから、わずかな利益でも売却してしまいがちです。

一方で、株が下がると、今度は絶対損をしたくないという気持ちになります。いったん下降トレンドに入ると、さらに下がっていくものです。

しかし個人投資家の多くは、不安からか感情的になって資金の限り買っていきます。最終的には、資金が底をついてしまうか、諦めて上昇するときまで塩漬けにしてしまうかでしょう。

だから、売るタイミングが先延ばしになり、結果として損が拡大してしまうのです。

このように「損はしたくない」という心理が、かえって大きな損を生み出してしまうというパラドックスがあり、株式投資で損失を出してしまう典型的なメカニズムなのです。

長期で持つには株式投資も考えられる

ですから、個別銘柄で短期間で勝負しようとすると、日々の価格の変動に一喜一憂してしまい、四六時中気が散り、大切な本業に悪影響が出るのです。

かく言う私も株式投資にのめりこんでいた当時は勤務中にも関わらず、トイレの個室に隠れて当時のガラケーで、ライブドアをはじめとする新興企業の株価チェックを頻繁にしていたのは言うまでもありません。

こんなことばかりしていましたので本業のパフォーマンスが半減していたことでしょうし、最終的には相当の損失を出しましたので、“やらなければよかった”というのが結論です。

一方で、アメリカのさまざまな業種の代表的な銘柄の株価平均型株価指数であるダウ平均株価や様々なインデックスを見る限り、歴史的には右肩上がりです。

ダウ平均株価について、振り返れば、1987年のブラックマンデーでは、1738.74ドル-507.99ドル(-22.61%)になったり、トランプ大統領が就任した際には21000ドルを超えるなど上昇と下落を続けていますが、基本上昇傾向です。

過去25年の間には、アジア通貨危機やルーブル危機、ドットコムバブル、リーマンショック、ギリシャ通貨危機、チャイナショックなど、世界的に金融危機を何度も経験しています。

特に、100年に一度の危機と言われた10年ほど前のリーマンショックの際は、相場全体で大きく目減りしましたが、時間をかけてそのマイナスを取り返し、むしろ成長しているのです。

このようなことから、株式投資を含む金融投資は長期でどっしり構えて運用すると考えて、リスクを抑えながら、時間を味方にして資産を増やしていくスタンスがよいのではないかと思います。

アクティブ運用とインデックス運用とは?

以前、こんな記事が新聞に掲載されていました。

「アクティブ運用ファンドの9割が相場に勝てず──。S&Pダウ・ジョーンズ・インディシーズは、米国の投資信託の2016年上半期の株式ファンドの運用成績を発表し、こんな結果を明らかにした。大型株、中型株、小型株で運用するそれぞれのファンドの総収益率は、6月末までの1、5、10 年間に9割のファンドがS&P500種株価指数、400種、600種の指数の総収益率を下回った。6月末までの1年間に大型株のアクティブ運用ファンドは85%がS&P500種の総収益率を下回った。5年間では92%、10年間では85%のファンドが指数を下回った。同じような傾向が中型株、小型株のアクティブ運用ファンドでも明らかになった」

アクティブ運用とインデックス運用という言葉をご存知でしょうか?

アクティブ運用は、ファンドマネージャーと呼ばれるプロの投資家によって行われる投資手法で、ベンチマークとするインデックス(S&P500や日経平均株価など)を上回るパフォーマンスを目指す運用方法です。

多方面の切り口から企業を分析し、現在割安な銘柄や今後好調な業績を見込める企業を見つけ出し、それらの「有望企業」に重きを置いた投資を行うのが一般的です。

マーケット環境や業績の変化によって銘柄の入れ替え等も行うため、分析、選定、売買、管理などにコストがかかり費用(信託報酬)が割高になります。

ハゲタカファンドや日本に進出してきたモノ言う投資家として知られるアクティビストと呼ばれるようなファンドもこちらに入ります。

積極的にリターンを追求するアグレッシブなスタンスの投資と言え、ハリウッドなどのファンドマネージャーが主人公の映画などはこのアクティブ運用を行う人のドラマティックなストーリーだったりします。

一方、インデックス運用は、アクティブ運用にかかる前述の様々なコストを払ったところでベンチマークを超過するリターンは得られないという考えであり、市場は効率的であり拡大するという前提のもと、S&P500や日経平均株価といった様々な指標そのものに連動し、市場の成長と同じリターンを目指す運用です。

ファンドマネージャーへの報酬等を含む一連の分析、選定、売買、管理のコストがかからないため信託報酬が割安になります。

たとえパフォーマンスが上がっても下がっても銘柄の入れ替えは行わず、指標の見直しがあった時にだけそれに合わせてリバランスを行います。

アクティブ運用とは真逆で、市場全体に投資して時間をかけて増やしていくスタンスになります。

この2つの手法の一体どちらがより優れているのか、という議論はあるようですが、どちらを選ぶかは何を求めるかによって分かれるところです。

インデックス運用のメリットは、市場の平均値に連動することによってリスク分散されている点と売買を頻繁に行う必要がない点に尽きます。

大きなリターンを狙って短期の売買を繰り返すゲーム性がない反面、放置しておいて月1回程度など定期的にパフォーマンスチェックをすればOKという手間いらず投資手法なのです。

私の場合、金融商品への投資は個人年金の代わりであり、毎日のようにパフォーマンスの状態をチェックして一喜一憂したくないので、償還時に資産形成ができればよいという考えです。

心の安らぎを保つためにも個人的にはインデックス運用でよいのではないかと考えています。

当然、ものすごいハイリターンを出すアクティブファンドもありますし、アクティブ運用を専門にするファンドや投資信託も数多く存在します。一方で、インデックス運用の人気も高まっており、対象となる「市場の成長をより効率よく反映する指数」が次々に誕生し、それに連動するファンドや投資商品もたくさん出てきています。

インデックス運用ができるETF

ETF(Exchange traded fund 上場投資信託) は、このインデックス運用の最たるもので、様々なインデックスに連動する投資信託が証券取引所に上場した商品です。

これまでは銀行や証券会社、対面営業等でしか取引できなかったものが直接マーケットで売買できるようになったことから、さらにコストが安くなった上、ベンチマークの指数に準じた銘柄を機械的に保有するため、分析その他もろもろのコストも抑えられ、パッシブ運用の効果がさらに発揮される仕組みになっています。

インデックス(指数)に投資ということは個別の業績も何も研究せず、景気には好況も不況もあるから、トータルで見ると投資手法が成長しない印象をもつ方もいるでしょう。

しかし、過去15年のインデックスファンドと、アクティブファンドの成績を比較した場合、なんと過去15年間で、アクティブファンドがインデックスファンドより多くの好成績を残した回数は、たった4回しかないのです。

高いコストを払っていても、アクティブファンドがインデックスを上回るパフォーマンスを出すのは容易ではないということが、数字にも表れています。

もちろん、ファンドによってはアクティブ投資で驚くほどの運用結果を出し続けているところも存在するかもしれませんが、世界中にファンドも投資商品も星の数ほどあり、その中から必ず値が上がるものを見つけるのは、絶対に上がる個別株を見つけるのと同じくらい困難です。

株式相場が比較的堅調な相場環境では、わざわざ高い運用手数料を払ってアクティブ運用のファンドに投資するよりも、手数料の低いインデックスファンドに投資すれば相場並みの収益を確保できることが実証されています。

インデックス運用のメリットをお伝えしてきましたが、私自身も5年ほど前からインデックスファンドの一つである長期積立ファンドを契約して運用しています。毎月パフォーマンス報告を受け取りますが、これまでのパフォーマンスを確認してみると年利5%から9%程度で変動しています。

最近は自分年金を作るために長期積立投資を始める人も多いと聞きますが、過去の運用成績を見ると、中には年間の利回りが10%を超える商品もあるようです。

私が長期積立ファンドを始めた目的は、国に頼らず老後の資金を確保して将来のための自分年金を作ることでした。最初に契約した商品は25年間の間に毎月一定額を積み立てる内容でした。

3つの大事な考え方

ここで押さえておきたいのは、「長期」「積立」「分散」という資産形成に大事な3つの基本的考え方です。

日本においてもここ数十年で、1990年代のバブル崩壊、2000年代初頭のITバブル崩壊、2008年のリーマンショックで日経平均株価は大きく下落したことから、積立投資は一時的に単純積立よりも資産が減ってしまうこともありました。

それでも長い目で見たらこのような株価の下落を乗り越えており、最終的には複利効果もあって、単純積立の約1.36倍の金額まで資産が増えているのです。

「長期」「積立」「分散」の3つの理解が資産形成になぜ重要なのか?長期積立ファンドにたとえて簡単に紹介しましょう。

まず、長期に渡ってポートフォリオの分散をしながら資産構築をしていける。しかも複数のファンドを組み合わせるため、特定の地域・商品・産業に偏らずに分散投資が可能となります。

そして毎月一定額の積立のため、ドルコスト平均法による分散が自動的に行われます。ドルコスト平均法とは、簡単に言うと「あらかじめ決まった金額で定期的に買い続ける方法」です。

株を例にあげましょう。当たり前ですが株の価格は常に変動します。タイミングによっては高い値段で購入してしまうリスクがあります。そこで登場するのがドルコスト平均法です。

「毎月1万円分この株を買う」というルールで注文をしておけば、毎月購入する金額は1万円を超えることはありません。このように決まった額で定期的に購入する購入価格を平準化させる方法をドルコスト平均法と呼びます。

ドルコスト平均法では、一定額を定期的に購入します。値段が高い時には、少なく買うので高く買うリスクを少なくすることができます。一方で値段が安い時には、たくさん買うことができるのでお得になるわけです。

上の表は、100万円を年利9%、25年間で単利で運用した場合のシミュレーションです。100万円だった原資が、862万円になります。

これが日本の銀行の定期預金なら、今の金利だと25年でいくらになるでしょうか?あまりの違いに誰もが愕然とすると思います。

これは単利での運用例ですが、複利の場合はどうなるでしょうか?

アインシュタインをして、「20世紀最大の発見」と言わせた複利の力は大きく利益をそのまま運用することで資金が膨れていきます。

ちなみに、元金が2倍になるまでの大体の年数は、72を金利で割ることで簡単に計算できます(たとえば、金利2%なら72÷2=36年、6%なら72÷6=12年必要ということになります)。

毎月5万円を25年にわたって積み立てたらどうなるのか?こちらも年利9%の利回りでシミュレーションしてみました(次ページ)。

この場合、積み立てた原資は、年間60万円×25年=1500万円。

これに対して、25年間複利で運用すると5539万円になるため、運用益はなんと4039万円となり、原資の2・7倍近くの運用益が出てしまうことになります。

これなら自分年金を作るにしろ、特定の用途に絞らずに投資をするにしろ、十分に満足できるパフォーマンスと言えるでしょう。

なぜ長期積立ファンドに投資したかと言えば、パフォーマンスもさることながら「分散」に優れているからです。

商品や契約時の設定にもよりますが、地域・商品・産業・時間の面で分散ができます。

まず地域について、アジア、北米、アフリカ、ASEAN、特定の国、BRICS、エマージングマーケット、世界全体等に分散できます。商品についても、株式や債券、通貨、商品、不動産等がある。

産業においては主要産業だったり、今後の伸びしろが大きい新興産業、農業やバイオテクノロジー、IT等を選ぶことができる。

少額の資金でこれだけの分散ができる案件は希少でしょう。

たとえば、不動産投資であれば、安定運用と高稼働が保てれば、毎月インカムゲインを得て出口ではキャピタルゲインを得ることができますが、その代わり大きな自己資金を投入し、金融機関からも借り入れして投資する対象は基本的に一つの物件になります。

そこには、物件自体の空室や修繕リスク、近隣にライバルとなる物件が乱立するリスクも考えられますので、物件単体の運用においては、一点集中となり「長期」「積立」「分散」の考え方からは外れてします投資となりますが、最初の物件から生じるキャッシュを2つ目の物件の購入資金に充て、さらに物件を増やして規模が大きくなればなるほど「長期」「積立」「分散」の効果が高い投資となります。

人生100年時代に、老後の備えなど将来に向けた資産形成として、複利のパワーを活かした長期の金融商品への投資をご紹介しました。

従来の「死亡リスク」に加えて人生100年時代には「長生きのリスク」も加わり、これら二つに備える必要があるのです。

もし自らの収入だけで家族を養っている場合、突然自分が死亡すると残された家族は生活に困ってしまうでしょう。将来ある子供の進学を断念しなければならなくなるかもしれません。

一方、日本人の平均寿命は男性で81歳、女性で87歳。医療が発達した今では人間は長生きするようになりました。

そして本書では定年は自分で決めるべきとの主張ですが、一般的な人が退職したり仕事から引退するのは65歳です。一般的に働かなくなってから20年程度は生きていかなければならない過酷な時代でもあります。

高齢で健康も損ないやすい状況下、受け取れるかどうかも分からない年金だけに頼るのはあまりにもリスキーです。

「死亡リスク」と「長生きのリスク」の両方に備えながら、長期の金融商品への投資をする重要性はだれにでも当てはまるのです。

また一人コンツェルンを構築した後は、不動産投資やインターネットビジネスなど様々な事業展開をしていることでしょう。

しかしながら、家賃収入が減ったり、ネットビジネスがうまくいかないケースも可能性としてはあるわけで、このようなビジネスリスクをヘッジする意味でも、長期的視野に立って自分年金を作ることは将来の安心につながるのです。

商品によっては今回ご説明した内容と異なる場合がありますので、ご注意下さい。
長期積立ファンドは商品によっては、長期積立保険という名称で呼ばれるものもあります。

大富豪サラリーマンの教え
大家MASA(おおや・まさ)
大学卒業後に大手通信会社、外資系IT企業2社に勤務。2017年には不動産からの2億円以上の家賃収入に加え、各事業や投資が軌道に乗ったためサラリーマンをリタイヤ。近年は投資家向けの投資サポート業に力を入れ、累計で120社を超える法人の設立をサポート。不動産投資カレッジでは資産10億円を超える投資家を多数輩出している。約6000人が購読するメルマガ、「大家MASAの世界まるごと不動産投資」はまぐまぐ殿堂入り。保有資格:経営学修士(東京都立大学大学院卒)、賃貸経営実務検定マスター、ロングステイアドバイザーなど

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