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【論語】仕事で活躍できる向学心を持つための孔子の教え

変化の著しい現代においては、常に学び、新しいことを吸収することが求められます。論語を遺した孔子は、常に向学心にあふれていました。孔子はどのような行動が向学心を生み出すといっているのでしょうか。論語から自己研鑽を積むための格言をみてみましょう。

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2018.12.19

自身の能力に慢心せず心をいつまでも若く保つ

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人の己を知らざることを患(うれ)えず、己の能無きを患う。(憲問第十四)
(意味)人が自分の能力を知ってくれないからと不満に思うのではなく、それより自分がまだまだ力量不足であることを心配しなさい。

慢心して学ぶことを怠ってはいけない

自信を持つことは大切ですが、自分の能力に慢心してしまい、日々の研鑽を怠れば、あっという間に若手や時代に追い越されてしまいます。常に足りない能力は何か考え、いくつになっても新しいことを学ぶ姿勢はいつの時代も大切です。
アメリカの大衆車であるフォード車を作ったフォードヘンリー・フォードは、農家から16歳で機械工となり、さまざまな会社を渡り歩いて技術を磨きました。やがて発明王エジソンのもとで働くことになりますが、仕事を終えて家に帰れば自宅の研究所で実験に没頭し、安価な車の生産に成功します。
多くの革新をもたらしたフォードは、「学び続ける人は、たとえその人が80才でも若いといえる。逆に、学ぶことをやめた人は、20才でも年老いている。人生で最も素晴らしいことは心をいつまでも若く保つということだ」と述べています。
向上心を持ち、いくつになっても学び続ける人は、仕事でもプライベートでも有意義な時間を過ごせるのです。

自分に限界を作らず全力で取り組む

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冉求(ぜんきゅう)曰く、子の道を説ばざるには非ず、力足らざればなり。子曰(のたまわ)く、力足らざるものは中道にして廃す。今女(なんじ)は画(かぎ)れり。(雍也第六)
(意味)冉求(ぜんきゅう)が、「先生の道を学ぶことを幸せに思っています。ただ、いかんせん私の力が足りず、なかなか身につけるに至りません。」と言うと、先生がこう言われた。
「本当に力が足りない者は、やれるだけやって途中で力尽きて止めることになるはずだ。しかし、お前はまだ全力を尽くしていない。今やお前は、自分で自分の限界を作り出すことでやらないことの言い訳をしている
困難や大きな労力が予測されるレベルの仕事を前にして、「まだまだ力不足なので無理です」と、謙遜を盾にして断る人を見かけます。謙遜はときに美徳となりえますが、場合によっては、心の奥底で、「何とか苦労をせずに済ませたい」と考えていることの言い訳のようにも聞こえます。
とはいえ、仕事において最も成長を感じるのは、大きな労力や困難がともなう仕事をしたときであるのも事実です。もちろん個人によって成長を感じる部分は違いますが、困難が伴う仕事というものは、さまざまな人に協力を求めたり、プロジェクトに乗り気でない人を巻き込む必要に迫られるものです。
仕事において困難を乗り越えることは、新しいキャリアを拓くチャンスでもあります。

過去の知見や現場の人たちが行ってきたことを見聞きする

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蓋し知らずしてこれを作る者あらん。我れは是れ無きなり。多く聞きて其の善き者を択びてこれに従い、多く見てこれを識(しる)すは、知るの次なり。(述而第七)
(意味)本当に物事の道理を知っているわけでもないのに、勝手に自説を創作してしまう人がいる。私だったらそんなことはしない。さまざまな話を聞いて有益なものを選んで従う。多くの書物を読んで記憶しておく、これらは知識のまた別の形の一つだ。

様々な意見に耳を傾け、アイデアや技術を掛け合わせる

IT技術の進歩により、ビジネスの世界では独自性や創造性に価値が置かれるようになりました。しかし、独自性や創造性は、何もないところから生まれるのではありません。
私たちは日ごろ何気なく思いついたことをひらめきやアイデアだと勘違いしがちですが、実際のところ、そういった思いつきは既に誰かが同じように思いつき、実施しているものなのです。
アイデアやひらめきは、既存の知識や技術の掛けあわせで起こると言われています。

既存の知識や技術を洗い出す

良い例として富士フイルムの化粧品事業への参入が挙げられます。
大手フイルムメーカーの富士フイルムは、デジタルカメラの普及によるフイルム市場の縮小を背景として、化粧品分野への参入を果たしたことが話題となりました。
カメラ産業とヘルスケア産業双方にオンリーワンの存在感を示す富士フイルムの独自性は、突然のひらめきやアイデアによるものではなく、創業以来蓄積してきた技術や知見を棚卸しして強みを見出したからです。そして、フイルム技術を化粧品に応用できたのも、カメラフィルムだけではなく、医療分野で使用するX線フイルムを販売していた経緯があるからです。
まったく新しいことに取り組んだわけでなく、既存の技術と経験を掛け合わせたことでオリジナリティを発揮することができたといえます。
れは個々人のキャリアや仕事における強みを考える点でも同じです。新しい知識を日々勉強で身につけることも大切ですが、自分がこれまで歩んできたことを振りかえり武器に出来ることは何かを省察することも重要となります。

■参考文献・URL■

齋藤孝『30代に読んでおきたい論語』海竜社、2013年2月
https://www.webcg.net/articles/-/36790
ーヘンリー・フォード 大量生産で世界を変えた資本主義の申し子(web CG)

https://www.fujifilm.co.jp/innovation/achievements/skincare/
ー富士フイルムだからできた、オンリーワンの化粧品(富士フイルム)

https://biz-journal.jp/2014/07/post_5465.html
ー富士フイルム、なぜ写真事業消滅の危機から構造転換成功?ヘルスケア1兆円への挑戦(Business Journal)
ユキヨシ

ユキヨシ

大学院修士課程修了(歴史学)後、そろばん指導講師、教育系のベンチャー企業を経験し副業ライターに。会社員時代に経営者の経営哲学に関心を持ち、中国古典思想の勉強を始め今に至る。

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