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【美咲28歳、はじめての転職④】iDeCo(イデコ)をはじめて1年。どうやってチェックするの?

転職を機に企業型DCの資産をiDeCo(イデコ)に移換し、iDeCo(イデコ)毎月の積み立てを始めた美咲。1年後、久しぶりに資産状況をチェックしようとしたものの、加入者サイトの見方がよく分からない。そこで、銀行員で大学の先輩である遥にアドバイスを受けることにしたのだった。

「加入者サイト」は、どこをチェックしたらいいの?

iDeco
(画像=確定拠出年金スタートクラブ編集部)

美咲:先輩。iDeCo(イデコ)を始めて1年が経つんです。そろそろ残高も増えてきたので、この前「加入者サイト」を見たんですが、どういう風に見ればいいのか、見方がよくわからないんです。どこをどうチェックしたらいいんですか?

遥:時の経つのは早いね。転職の時、iDeCo(イデコ)の相談を受けてからもう1年経つんだね。それで、「加入者サイト」にはアクセスできたの?

美咲:はい。でも、いろいろ難しい言葉が書いてあってよく分からないんです。見るポイントはどこですか?

遥:まず見るべきところは、資産全体の運用状況だね。特に「評価損益」の部分に注目。ここには、今まで拠出した掛金、つまり元本と現在の年金資産の評価額の差が記載されているんだよ。プラスの表示であれば利益が出ていることになるの。ただ、資産運用している最中で売却はしていない状態なので、あくまで利益は確定していないから「評価損益」という表現になってるんだよ。

美咲:こないだ見たときは、確かプラスの表示だったような気がします。

遥:それは何よりだね。あと、開始して1年以上経っているので、運用の利回りも表示されているはずね。利回りが高ければ、それだけいい資産運用ができたということを示しているわ。あとは、商品ごとの運用状況も見られるので、これも確認しておくといいよ。

美咲:運用状況の確認をして、資産の配分や運用商品の見直しを考えればいいのですね。

遥:そうだね。あと、今後は取引履歴などもチェックしておいたほうがいいね。

●ポイント
①資産状況は、加入者サイト(記録関連運営管理機関のWEBサイト)あるいは、自宅に届く「確定拠出年金 お取引状況のお知らせ」で確認する。
②主なチェックポイントは、資産全体の運用状況、運用利回り、商品ごとの運用状況など。
③資産運用の見直しを行う時は、残高だけでなく、資産の配分比率を確認することも大切である。

運用商品の配分が変わっているのはどうして?

美咲:そういえば私、定期預金と投資信託の割合を50%ずつにしてiDeCo(イデコ)をスタートしたんです。でも今では、定期預金の割合が40%で投資信託の割合60%です。なぜバランスが変わったのですか?

遥:それは、投資信託の価額が上がったからじゃないかな。定期預金は利息も少ないから増えようがないけど、投資信託は株価や為替の影響などで価額が上下するでしょ。

美咲:あっ、そうか。

遥:美咲は前の会社(企業型DC)からの移換金もあるし、iDeCo(イデコ)で新たに積み立てているお金もあるよね。そこに、投資信託のように価額が上がったり下がったりする商品を組み合わせているわけだから、利益も変動するし、資産ごとの割合も変わるよ。

美咲:はじめに決めた資産ごとの割合が、変わってしまったらどうすればいいんですか。

遥:多少の変化であれば、そこまで大きく気にすることはないんじゃない。でもあまりにも差が出てきた場合は、商品を変えて、バランスを戻すこともできるんだよ。

美咲:どうやってやるんですか?

遥:たとえば、投資信託の割合が高くなった場合は、その一部を売って、定期預金に預け替えるの。この方法をリバランスというのよ。つまり、資産ごとの配分比率を元の比率に戻すことなんだね。美咲の場合は、当初50%ずつでスタートしているので、定期預金の残高と投資信託の残高が同じになるように調整すればいいってこと。

美咲:資産のバランスが、自分の希望と大きくずれたら、見直しを検討してもいいということですね。

遥:そういうこと!

●ポイント:
①投資信託は価額に上下動があるため、他の資産と組み合わせた場合、資産全体に占める割合は常に変わる。
②資産ごとの配分比率を、当初の配分比率に戻すことをリバランスという。
③リバランスは、配分比率が高くなった商品を売却し、その分低くなった商品を購入する方法のことである。

大きく価額が下がったときは?

美咲:投資信託で運用している商品が、もしも大きく価額が下がって残高が減ってしまったら、それはもう売ってしまって他の商品に変えたほうがいいんですか?

遥:そこはちょっと慎重に考えたほうがいいわよ。投資信託は、株式や債券、REIT(リート:不動産投資信託)などで運用されているけど、経済状況などによって一時的に下がることはよくあることよ。焦って売却すると、後で価額が上がってしまい後悔することもあるからね。

美咲:そうなんですね。価額が下がると怖くなってしまって。

遥:うん。気持ちはわかるよ。いい例が2008年のリーマンショックの時だね。私の勤務先って企業型DCがあるでしょ。会社の上司が言ってたけど、リーマンショックで投資信託の価額が下がった時、パニックになって定期預金に預け替えした人と、そのまま様子を見た人の両方がいたみたい。

美咲:対応が分かれたのですね。

遥:そう。結果的には、株価の暴落は一時的なもので、しばらくして投資信託の価額も上昇したそうよ。アベノミクスで2013年頃から日本の株価も上がったから、投資信託を持ち続けた人は株価上昇の恩恵が受けられたって。

美咲:投資信託の価額が下がったといってあわてて定期預金にした人は、株価上昇の波に乗れなかったわけですね。もったいない!

遥:もちろん、それは一つのやり方。売却して新しい運用商品を購入するのが、必ず正しいとも間違いとも言えないよ。投資に「絶対」はないからね。ただ、iDeCo(イデコ)は長期的にコツコツ拠出していく性質のものだから、あわてて絶えず商品を売買し続けるよりは、無理をしない範囲で、時間をかけてじっくり取り組んでいく方がいいだろうね。私も今では、投資信託の割合も多いけど、価額が下がっている時は、毎月の掛金で投資信託を多く購入できているわけだし、あせらないでじっくり運用しようと思っているわ。

●ポイント
①投資信託の価額が下がっても、あわてることは禁物。冷静に判断しよう。
②短期的には株価や為替が大きく変動することがある。
③一般的に、長期運用すればリスクは軽減できリターンは安定化する傾向にある。

スイッチングと配分変更ってどうしたらいいの?

美咲:まだ運用商品を変えることは考えていませんが、将来運用商品を変える場合は、どうしたらいいのですか。

遥:商品を変更する方法って2つあるって知ってた?

美咲:企業型DCからiDeCo(イデコ)にお金を移した時にも聞いた記憶がありますが、忘れちゃいました。先輩教えてください。

遥:1つは、掛金で購入する運用商品の割合を変更する方法よ。「商品別配分変更」といわれたりするよ。たとえば、今までは毎月の掛金で「商品A:50%、商品B:30%、商品C:20%」の割合で購入していたものを、来月からは「商品A:40%、商品B:30%、商品C:30%」と変更するようなケース。

美咲:上記の例は、商品Bの割合はそのままだけど、商品Aを減らして、そのぶん商品Cを増やしたのですね。

遥:気をつけないといけないことが1つあるよ。商品別配分変更をしても、今まで貯まった資産が変更されるわけではないからね。そこは勘違いしちゃダメだよ。

美咲:はい。気をつけます。

遥:もう1つは「スイッチング」。今まで積み立ててきた資産の一部または全部を売却して、新しい運用商品を購入する方法だよ。どちらもインターネットやコールセンターで手続きできるよ。手数料もいらないしね。

美咲:2つの違いがよくわかりました。

●ポイント
①商品を変更する方法には、「商品別配分変更」と「スイッチング」の2つがある。
②「商品別配分変更」と「スイッチング」は別の手続きのため、両者は連動しない。
③「商品別配分変更」と「スイッチング」は、インターネットやコールセンターで手続き可能。また、手続きに手数料は発生しない。

運用結果はどのくらいの期間でチェックしておくといいの?

美咲:運用結果って、いつ見ればいいのですか?

遥:忙しい生活を送っていると、iDeCo(イデコ)のことはつい忘れちゃうよね。でも、長期で運用しているから、そんなに気にすることはないと思うわ。知らず知らずのうちにお金が増えているのが理想だから。

美咲:そんなものなんですかね。

遥:そんなものだよ。だって、美咲は投資信託を購入しているでしょ。プロに運用を信じて託しているわけだから。でも時々は経過をチェックしてみたらどうかしら。

美咲:いつがいいですか?

遥:1つのタイミングは、確定拠出年金の「お取引状況のお知らせ」が届いた時がいいわ。1年に1回は自宅に届くから、そこでチェックするの。

美咲:手元に届くとiDeCo(イデコ)のことを思い出しますね。

遥:そうでしょ。

美咲:その時に、残高の確認や選んだ運用商品の状況を見ればいいんですね。

遥:そうだね。でも長期運用している1つの通過点に過ぎないので、かならずしも運用商品を頻繁に変える必要はないよ。短期の運用実績に一喜一憂しないことだね。

●ポイント
①運用状況は、年1回「お取引状況のお知らせ」が届いたタイミングで見るとよい。
②運用に対する考え方が変わった時は、そのタイミングで見直す。
③運用は長期投資が原則。短期の運用状況に一喜一憂しない。

資産運用を始めて一定期間が過ぎると、投資信託などの価額変動により、資産全体の配分比率が大きく変わるケースがある。最低でも年1回程度は運用状況を確認し、残高だけでなく資産の配分比率もチェックすることが大切である。必要に応じて、「商品別配分変更」「スイッチング」で運用商品の変更を行おう。(提供:確定拠出年金スタートクラブ


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