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【米国個別株動向】アクティビジョン・ブリザード、2019年は移行の年になるか

-成長の失速により、経営陣は調整に追われています-

モトリーフール米国本社、2019年2月13日投稿記事より

アクティビジョン・ブリザード(ティッカー:ATVI)の2018年第4四半期決算の内容は、最も分岐したものとなりました。

記録的な業績を報告しただけでなく、大規模な事業再編も発表しました。

変化するゲーム環境に適応するため、同社は全体で約775人(従業員の8%)のレイオフを行う予定です。

同時に、アクティビジョン・ブリザードは一部の最も大きなゲームに開発リソースを追加投入しています。

予想通り、バトルロイヤルゲーム「フォートナイト」の成功は、アクティビジョン・ブリザードやエレクトロニック・アーツ(ティッカー:EA、以下「EA」)のような競合他社に多くの変化をもたらしています。

以下は、アクティビジョン・ブリザードの2018年第4四半期決算と2019年についての経営陣の見解についてです。

移行の年
(画像=Getty Images)


アクティビジョン・ブリザードの決算内容

【米国個別株動向】アクティビジョン・ブリザード、2019年は移行の年になるか
(画像=アクティビジョン・ブリザードの2018年第4四半期決算資料)


2018年第4四半期の状況

第4四半期決算の内容は全般的には堅調で、多くの項目で3ヶ月前の経営陣見通しを上回っています。

しかし、2019年見通しについては多くの疑問があります。

2018年第4四半期の1株当たり利益は、前年同期の損失から大きく一転して利益となったように見えます。

しかし、2017年第4四半期の損失は、2017年末に可決した税制改正が関係しています。

非GAAPベースで見ると、2018年第4四半期の1株当たり利益は0.90ドルで、前年同期は0.49ドルでした。

注視されているエンゲージメント指標に関しては、アクティビジョンとキングは上昇したものの、ブリザードは減少しています。

アクティビジョンの月間アクティブユーザー数(MAU)は700万人増の5,300万となり、Call of Duty: Black Ops 4のローンチに牽引されました。

キングのMAUは、Candy Crush Friends Sagaのローンチにより600万増の2億6,800万となりました。

一方、ブリザードのMAUは、World of Warcraftの不振により、200万減の3,500万となりました。

四半期のネットブッキングは28.4億ドルとなり、前年同期の26.4億ドルからは上昇していますが、経営陣見通しの30.5億ドルには届きませんでした。

また、2018年のフリーキャッシュフローは16億6,000万ドルで、前年の20億600万ドルから減少しました。

2019年のガイダンスには、前述のフォートナイトや、EAが新たに立ち上げたApex Legendsのような他のバトルロイヤルゲームの実際の影響を見ることができます。

EAはバトルフィールドVの失速をApex Legendsで挽回し、フォートナイトに追いつくことができるのか?

さらに悪いことは、アクティビジョン・ブリザードは2019年においてゲームの主要パイプラインを持っていません。

そのため、2019年は全般的に低迷する状況になると予想されます。

2019年には売上高と利益の減少が予想されるため、経営陣は従業員775人の削減を発表しました。

人員削減等の事業再編により、アクティビジョン・ブリザードは、Call of Duty、World of Warcraft、Diabloなどの大きなゲームタイトル開発に資金を集中させ、また小さなタイトルの開発を削減します。

さらに経営陣は、販売スタッフを削減し、会社の3つの部門間で重複するバックオフィス機能を合理化する予定です。


経営陣が言わざる得なかったこと

COOのコッディ・ジョンソン氏は、決算発表の電話会議でアクティビジョン・ブリザードの問題点を次のように述べています。

「私たちの2019年の見通しでは、ゲーム内課金を早急に改善することはできない、と想定しています。そして、リリースすべき主要コンテンツが少ない2019年は、移行の年となります」

ゲーム内課金が成長を牽引するので、それへの取り組みが遅れるということはやや懸念材料です。

そして、経営陣は、リリースが少ない2019年を組織変更の年にしようとしています。

結論としては、アクティビジョン・ブリザードにとって2019年は変化の年になるのでしょう。


今後の見通し

アクティビジョン・ブリザードの課題は、実は表面に見えているものより大きいかもしれません。

過去1年間にユーザーは、アクティビジョン・ブリザードが得意ではないバトルロイヤルゲームに流れていき、それがモバイルゲームで成功している「フリーミアム」価格形式(一部は無料、一部は有料プレミアムオプション)への傾斜を加速させています。

しかし、アクティビジョン・ブリザードが得意とするPCおよびゲーム専用機向けゲームの開発は、モバイルゲーム開発よりはるかにコストがかかるものの、ゲーム市場の規模はモバイルデバイスの規模ほど大きくはありません。

これが、フリーゲームのためにゲームメーカーがゲーム内コンテンツでお金を稼ぐことを妨げており、長期的な収益性を損なう可能性があります。

アクティビジョン・ブリザードの経営陣は、変化するビデオゲーム業界で乗り切っていけると自信を見せました。

2019年は事業の移行期になるでしょう。

同社の大きなゲームへの集中が適切な長期戦略であるかどうか、投資家はまだ分からないでしょう。(提供:The Motley Fool Japan



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