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【第1回】 ネットと実店舗の融合を目指す ユニクロ中国

中国経済,小売業界,SPA,日系企業
(画像=UNIQLO中国Webサイトより)

目次

  1. はじめに
  2. 新機軸を日本に先立ち実験か?深センで大型店を開店
  3. ネットと実店舗の融合が功を奏す
  4. 新消費体験
  5. 日本市場に新機軸は必要ない?

はじめに

拡大を続ける中国市場には大きな魅力があり、中国には多くの日本企業も進出している。しかし、日本や欧米とは国家体制が違う中国の市場には、制約や困難も多い。

そんな中国市場で、日本企業はどのように戦っているのか。その戦略と成果について迫ってみよう。

新機軸を日本に先立ち実験か?深センで大型店を開店

中国の商業界において、ネット通販と実店舗の融合(O2O)の新小売業(新零售)の概念は、あらゆる小売り領域に広がり、アパレル小売業界でも、さまざまな積極的取組みが伝えられている。激烈な市場競争下、重要な経営課題の中心になっているといってよい。ファストファッションの雄、ユニクロ(ファーストリテイリング)もその例外ではない。

深センの新機軸大型店の開店に合わせ、「品牌服装網」など各メディアが、ユニクロを取り上げた。ユニクロ中国は、どこをめざしているのだろうか。

ネットと実店舗の融合が功を奏す

ユニクロは天猫(アリババのB2C通販サイト)をビジネスパートナーに選んだ。天猫にとってもユニクロとの取組みは、ネット通販と実店舗の融合の実現を目指すものだった。そして、その成果は世間を驚かせた。2016年の双11(11月11日独身の日セール)では、ユニクロの売上は、わずか2分53秒で1億元を突破した。

この後、ユニクロと天猫の提携はさらに深まり、O2O融合モデルの役割分担が完成されていく。O2Oとは、online to offline の略で、webサイトから実店舗に誘導するマーケティングの手法のことである。

2017年の双11では、支払い、サービス体系、返品交換、どこをとっても、オンライン、オフラインの境界は消失していた。ネット通販の特価商品を、ユニクロのオフライン店舗どこでも受取ることができる。そして売上は1分もたたないうちに、1億元を突破したのである。

しかし、ユニクロはこれで満足したわけではない。消費者に対し、より多彩な消費体験を提供しようとしている。

新消費体験