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【株式新聞】「物言う株主」に存在感

株主提案に期待

株式新聞,物言う株主
(画像=PIXTA)

物言う株主(アクティビスト)による株式大量保有が注目を集めている。3月期末を前に、ファンドの買い増しが進む銘柄には株主総会を通じた還元強化圧力への思惑が飛び交う。また、経営体制に関する提案も想定され、企業体質と株価が変ぼうする可能性もあるだけに見逃せない状況だ。

2017年のスチュワードシップ・コード(責任ある機関投資家指針)改訂をきっかけに、株主総会の様相は大きく変化した。議案に対する機関投資家の賛否が開示されることで、経営向上に資する提案を安易に否決できなくなった結果、アクティビストの存在感が高まりつつある。

実際に、昨年は日本でのアクティビストの活動が前年比で4割増えたとする調査もある。また、東証の市場再編をめぐってもこうした傾向が強まりそうだ。

市場再編では、時価総額250億円以下の銘柄が東証1部から排除される可能性が出てきている。ボーダーラインにいる企業は1部上場維持も意識され、株主提案を狙う投資ファンドの矛先が向かいやすくなる。さらに、批判が高まる親子上場を解消するために、親会社に子会社のTOB(株式公開買い付け)を求めるケースも想定される。

直近にはジャパンディスプレイ(=JDI、6740)株を8.9%保有し、旧村上ファンド出身者が運営することでも知られる「エフィッシモ・キャピタル・マネージメント」が、保有目的を「純投資」から「経営陣への助言、重要提案」などに変更した。経営再建につながる提案への期待感から、JDIの株価は上昇した。

同じ村上ファンド系では、投資会社の「レノ」が大量保有している新明和工業(7224)が、レノとの協議の結果として1月にTOBによる自社株買いと配当増額を発表した。また、スパークス・グループ(8739・JQ)の保有比率が5%を超えた直近IPO(新規上場)銘柄のリックソフト(4429・M、情報通信)にも思惑買いが向かった。

アクティビストが昨年10月以降に株式を買い増した主な銘柄を表(右の画像クリックで拡大)にまとめた。増配を含めた株主還元策を求める事例が多い旧村上ファンド系では、レノが新明和のほか、廣済堂(7868)や日本郵船(9101)を大量保有しており、C&Iホールディングスはエクセル(7591)を買い増している。

アルプスアルパイン(=アルプスA、6770)は1月の旧アルプス電気と旧アルパインの経営統合の際に、それぞれの株式を保有する投資ファンドの間で統合比率に関しての意見が分かれた。直近では米投資ファンドのエリオット・インターナショナルが12.3%を保有。同社はアルプスAの株主還元強化方針に賛同している。

東証1部の上場基準になるとみられる時価総額250億円に近い銘柄としては、飛島建設(1805)、イワキポンプ(6237)、帝国電機(6333)などがある。

一方、施工不良問題に揺れるレオパレス21(8848)は、昨年8月に英国の投資ファンドであるオデイ・アセットによる5%の大量保有が判明。3月1日報告分では12%台まで買い増している。国交省によるレオパレスへの処分が今後明らかになる中で、同ファンドが経営再建に向けどのような動きを見せるのか、興味が尽きない。(3月22日株式新聞掲載記事)

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