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【ストラテジスト田村晋一の株式相場レポート】~様子見の中をじわり上昇~

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(画像=松井証券)

今週の総括

★材料難&様子見モードも感じられる中、堅調な米国株と円安を背景に小幅上昇

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今週の日経平均は、下げて始まったものの、その後は堅調に推移し、小幅ながら前週末比プラスで引けた。

米国の利下げの是非を決める米FOMCを来週に控え、金融市場には様子見モードが感じられる。その中で、米企業の好決算を背景に、米株価がNYダウ:27,000ドル台、S&P500:3,000ドル台をキープしたことや、為替が1ドル108円台を回復したことを背景に、日経平均も21,000円台後半の水準をキープした。

業種別では、米国でIT・半導体業界が好決算などを背景に株価が上昇したことやアドバンテストや信越化学などが好決算発表後に大きく上昇したこと、さらには1ドル108円台の円安となったことで、半導体や5Gの関連銘柄に上昇が目立った。指数別には電機・精密、海運、通信、化学、資源株の上昇が大きかった。一方で、食品、証券、その他金融、鉄・非鉄、不動産、医薬品、陸・空運、電力・ガスなどが下落方向だった。

来週以降の見通し

★強含みで推移か。米利下げに注目

日経平均想定レンジ 20,500~22,000円

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来週の日経平均は、米利下げを前提に強含みながらボックス圏で推移する可能性が高そうだ。

米FOMCの結果発表は、日本時間31日夜となる。今回、利下げがなくても、利下げへの前向きなコメントが確認できれば、株価的には現状維持となる可能性が高いだろう。ただし、米長期金利が下落方向に動いた場合は、円高を誘発する可能性があり、円高となれば国内株価にはマイナスに働くリスクがある。

決算発表は、来週30~31日あたりから本格化する。今回は、半導体を筆頭に部品・素材や工作機械などのいわゆるハイテク業種が注目される。18年以降、「スマホ」「半導体」「ロボット」「工作機械」「自動車」などの各市場、あるいは中国経済全体がいずれも減速傾向があり、特に2018年後半からは関連銘柄の下方修正が相次いできた。まだまだ逆風が続きそうとの見方から、前回4~5月に発表された、各社の今期見通しは慎重な数字が多い。今週発表された決算では、その見通しをさらに下回り早くも下方修正となった企業がある一方で、それなりに健闘した企業もあり、業績のばらつきが見られる。7月前半に発表された小売・外食主体の3~5月決算も同様の傾向にあった。中国だけでなく米国も世界経済も減速方向にある中、好業績をあげられる企業は限られている分、個別決算が注目されるだろう。

コラム:徒然なるままに

「4~6月期決算」の発表が始まった。新聞やニュースの見出しと、アナリストや機関投資家の見るポイントが、実は少し違うのをご存知だろうか。新聞報道の場合、「前年同期比」が記載されていることが多い。また、1千億円などの「大台乗せ」も見出しとなることが多いだろう。しかし、アナリストやファンドマネージャーなどの「プロ投資家」は、前年同期比ではなく、「進捗率」を見るのが普通だ。

一部の業種を除き、各企業は会社予想利益を出している。半期と年間の2つが多いが、年間利益だけの場合もある。今回の決算は3月期決算なら3ヶ月分、12月期決算なら6ヶ月分である。そこで年間予想利益の何%を達成できたかをチェックする。会社予想が100億円の場合、3ヶ月で1/4の25億円を上回ったかどうかを見る訳だ。そこでまず第一印象を決める。そこから付属資料や取材などでさらに分析していく。

投資家が注目する銘柄の場合は、アナリストが業績予想を出している。その平均値を「コンセンサス」といい、日経QUICKなどの情報サービスでチェックできる。こうした銘柄の場合は、コンセンサス予想利益の25%に対してどうだったかを見る。上回れば「上振れ」、下回れば「下振れ」だ。前年同期比プラスで、会社予想を上回っても、翌日の株価が下落した場合は、すでにアナリストが「上振れ」を予想してコンセンサス予想が既に相当高い水準にあり、それを下回ったと評価されたことになる。

また、どの利益を見るかも異なる。新聞だと「最終利益(当期純利益)」「経常利益」「営業利益」がよく出てくる。「プロ」にとっては、営業利益が最重要。経常利益を見る人はまずいない。当期純利益はその次に見るが、「EBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)」や「フリーキャッシュフロー」という数値を計算して、それを分析することが多い。一般の方は、営業利益を見るだけでも、十分に判断可能だろう。

ちなみに格付け機関の評価は株式市場とかなり異なる。彼らの基準は社債などの債券が満期に返済されるかどうかだ。3年債であれば、3年後に返済できるかどうか。だから「3年間存続できるか」「3年後に返済可能な現金があるか」「現金が無くても資産や事業を売却すれば返済できるかどうか」を分析する。会社が成長するか、利益が増えるか、などは実は最優先事項ではないのである。

田村晋一,松井証券
松井証券ストラテジスト 田村 晋一(たむら しんいち)
京都大学経済学部を卒業後、太陽神戸三井銀行(現三井住友銀行)に入行。米国MBA 留学、外資系大手コンサルティング会社勤務等を経て、UBS 証券、ドイツ証券、バークレイズ証券にて銀行セクター担当アナリストとして豊富な経験を積み重ねる。

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