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「妻が妊活中」ではなく「ふたりが妊活中」があるべき姿。私が作りたい新しい“当たり前”

大きな挑戦

妊活というと、女性が取り組むものというイメージがまだまだ根強くあります。実際、妊活や不妊で医療機関を受診するのはまずは女性からというケースが多いのが現状です。

しかし、いつまでも女性だけががんばっていて良いのでしょうか。 私は、株式会社リクルートライフスタイルが提供する『Seem(シーム)』の事業責任者をしています。Seemは専用の顕微鏡レンズとスマホのアプリを使って自宅で精子の濃度と運動率をチェックできるサービスです。

不妊の原因の約半分は男性にあると言われていますが、男性が自分の精子の状態をチェックする機会はほとんどありません。Seemは自宅で手軽にセルフチェックできることで、男性の行動を後押します。

昨年の12月に、サービスのビジョンに共感してくれた北海道のドラッグストア「サツドラ」と「ふたりの妊活応援プロジェクト」を立ち上げました。 さらに3月25日から「妊活」をテーマにしたTVCMを北海道で放映。女性主導のこれまでの「妊活」のイメージを変えるため、「妊活もふたりで」というメッセージを発信しています。

今この瞬間も多くのカップルが出会い、色々な経験を重ね、思い出を作り、パートナーになると決めるまで、ふたりで一緒に歩んでいきます。

では、その後に子どもを望む場合はどうでしょうか。

このことについて、しっかりと考えてほしいという想いがTVCMの根底にあります。

しかし、多くの人が目にするTVで「妊活」という繊細なテーマのCMを流すことは、大きな挑戦でした。 世の中には子どもを持つことを望まない人もいれば、望んだけれども諦めざるを得なかった人もいます。

また、「不妊の原因の約半分は男性」という事実はとても強いメッセージです。それによって傷つく人や不愉快に感じる人がいるかも知れません。 メンバー内でも強い表現を避け、柔らかいメッセージにすべきではという意見もありました。

しかし、これまでの妊活の文化を変えるためには、私たちが伝えたいことをきちんと表現することが必要だと意思決定をしました。

「妊活もふたりで」。

これは、様々な人の気持ちに配慮しつつも、絶対に世の中に伝えたいメッセージでした。

妊活もふたりで

Seemの提供自体は課題解決の手段の一つでしか無く、本当に実現したいことは「妊活は男女ふたりで取り組むもの」という新しい文化の定着です。日本では5.5組に1組の夫婦が不妊に悩んでいますが、女性に比べて男性の当事者意識が低いという課題があります。

実際に、私の知人でも「妻が妊活中なんだよね」といった発言をする人もいます。一方で、「まずは私から調べてみて、問題が見つからなければパートナーにも頼んでみる」と言う女性も多く、男女ともに「妊活の当事者は女性」という認識が少なくないように思います。

しかし、WHOの報告によると不妊の原因の約半分は男性にもあることがわかっています。また、別の論文では男性の100人に1人は無精子症だと言われています。

男性に原因があるにも関わらず女性だけで妊活を続けた場合、時間や費用が無駄になってしまうケースもあります。特に時間はとても重要で、個人差はありますが、男性の不参加による時間の経過で女性の妊娠のしやすさが大きく低下してしまうこともあるのです。

「妊活もふたりで」というメッセージを通して、「妊活は男女二人で取り組むもの」という新しい文化を創り、妊活〜不妊治療までのこれまでの流れを変えていきたいと考えています。

みんなで新しい当たり前を

「5.5組に1組」という不妊に悩む夫婦の割合は、もしかするとみなさんの印象よりも多いかもしれません。

それは「不妊」について相談したり、自身の体験を周りに伝えたりする機会があまり無いためです。それぞれの夫婦が周囲に相談できずに同じ様な悩みを抱えています。

私は仕事柄、妊活や不妊治療についてお話する機会が多いのですが、本当に沢山の方から「実は自分も妊活で悩んでいた」、「うちは不妊治療をがんばって子どもに恵まれた」などの声を掛けてもらいます。

そして、多くの男性が口にするのが「もっと早く自分も一緒に取り組めばよかった」という後悔です。 みなさんの周囲にも将来子どもを考えている人や、現在妊活に取り組んでい人がいると思います。また、自分自身が妊活中という方もいらっしゃるかも知れません。

「妊活もふたりで」

このメッセージをみんなで共有し、発信していくことで新しい妊活の文化を創っていけたらと思います。「妊活は男女ふたりで取り組むもの」という当たり前が、みんなの当たり前になりますように。