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「事業承継・M&A」支援の勘所【最終回】開発意欲が旺盛な取引先

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(画像=Atstock Productions / Shutterstock.com)

解説

本連載の第5回(2018年10月15日号)でも述べたが、経営者の持株を他社に売ることだけがM&Aではない。資本提携もM&Aの一種であり、これを仲介すれば金融機関も手数料を得ることができる。最終回では、開発意欲が旺盛な取引先に対する「技術提携」の提案を取り上げよう。

新製品の開発には資金が必要だが、開発できても売れる保証はない。上越銀行の浦佐さんも長岡食品の社長から新製品の話を聞いたが、それが売れるという確信は持てなかった。

本来なら、開発は長岡食品が自己資金で行うべきなのだが、開発資金を賄えない中小企業は多い。そこで金融機関に融資を依頼するわけだが、上越銀行の立場に立てば、融資が難しいこともよく分かる。これは、ベンチャー企業への融資と同じだ。必ず成長するなら資金を供給したいが、ベンチャー企業は破綻することも少なくない。

金融機関が自ら融資できないのであれば、例えばベンチャーキャピタルなど「資金を供給する機関」の紹介を検討したい。金融機関は、こうした資金供給機関と普段からコンタクトしておくことが必要である。

上越銀行の対応の問題点は、資金を得られなければ長岡食品の開発が頓挫することに思い至らず、融資以外の方法を考えなかったことといえよう。

大企業は中小企業のアイデアを求めている