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「ボトムアップアプローチ」と「トップダウンアプローチ」から投資を考える方法

投資には、大きく分けてボトムアップアプローチとトップダウンアプローチの2種類があります。個人投資家に取り組みやすいアプローチはボトムアップアプローチですが、トップダウンアプローチの視点を完全に欠いてしまうと、大きな市場の流れに乗ることができません。

ボトムアップアプローチとトップダウンアプローチは投資信託やファンドだけではなく、個人投資家も身につけておきたい視点です。ボトムアップアプローチで銘柄の選定を中心にしながらも、トップダウンアプローチの情報収集を投資メディアやニュースなどの情報を取り入れて総合的に判断することで、バランスのとれた投資ができるでしょう。

今回は、個人投資家の取り組みやすいボトムアップアプローチの投資法と、トップダウンアプローチの取り入れ方をご紹介します。

投資を考える
(画像=Getty Images)

投資には大きく分けて2つのアプローチがある

投資のアプローチは、

  • ボトムアップアプローチ
  • トップダウンアプローチ

の2種類に分かれています。

個人投資家に限らず、ファンド・マネージャーでもレベルの違いはあれど、2つのアプローチから投資判断を下しています。簡単にいえばボトムアップアプローチは個別企業の業績に注目して投資する方法。

トップダウンアプローチは、マクロ経済の動向や社会全体の動向などの個別企業を取り囲む外部環境に着目して投資する方法です。個人投資家が取り組みやすいのは、ボトムアップアプローチを土台にしたうえでトップダウンアプローチでスクリーニングする投資法です。トップダウンアプローチは個人投資家には難しい切り口なので、最初はボトムアップアプローチから入りましょう。

ボトムアップアプローチとは

ボトムアップアプローチは、個別企業の業績に着目して銘柄選定をするアプローチです。個人投資家にも馴染みやすいアプローチのため、個人投資家向けの投資関連の書籍などにはボトムアップアプローチを代表する2つの投資法が紹介されています。

それはグロース投資とバリュー投資です。米国市場にはグロース投資家にもバリュー投資家にも多くの選択肢があります。

グロース投資

グロース投資は、企業の成長性が市場平均より高いと期待できる銘柄に投資する手法です。既に投資家が注目して高値がついている銘柄でも、成長力があり伸びそうなら投資します。利益が右肩あがりで、将来性も期待される企業の株をタイミング良く買えば、大きな利益が見こめます。グロース投資はEPSや売上高などが右肩上がりの銘柄をタイミングよく上昇トレンドのときに購入するだけなので、個人投資家にも比較的取り組みやすい投資法です。

ウィリアム・オニールやフィリップ・フィッシャーが成長株投資として有名です。彼らの銘柄選択法は書籍などでも広く知られており、多くの個人投資家の支持を受けています。

バリュー投資

実質的な価値は高いのに、市場からあまり注目されていないので安い評価がつけられている株を狙う投資法をバリュー投資といいます。

例えば、PBRやPERなどの指標をもとに放置されている割安な銘柄を買う投資法です。うまくバランスシートを読み、且つ市場から割安に放置されている銘柄を選びます。割安な銘柄を探すのは地道な作業ですが、個人投資家にも取り組みやすい投資法のひとつです。

ウォーレン・バフェットやベンジャミン・グレアムがバリュー投資家として有名です。バリュー投資のアプローチはバフェットの書籍などで紹介されています。またバフェットの率いるバークシャー・ハサウェイ株(BRKB)の購入を通して、バリュー投資を個人投資家が気軽に再現する投資法もあります。

トップダウンアプローチとは

トップダウンアプローチは、マクロ経済などの個別銘柄以外の環境から経済動向などを分析して、どのような国・銘柄の資産に投資するかを決定する方法です。

グローバル・マクロ投資

大規模なヘッジファンドが得意とする投資法です。投資対象となっている国々の経済状態や政情や金利などの要因を総合的に判断して、ポジションをとります。グローバル・マクロ投資で有名なのはジョージ・ソロスです。

しかし個人レベルで世界のマクロ経済を分析することは難しいため、個人投資家向けの書籍にはあまり紹介されません。ただ、グローバル・マクロ投資というアプローチがあることは個人投資家も知っておくべきです。

トップダウンアプローチを個人投資家が取り入れるには

一般的な個人投資家がトップダウンアプローチから投資をするのは難しいでしょう。しかしトップダウンアプローチが得意な大規模なヘッジファンドは、ポジションを公開していることも珍しくありません。なぜなら運用資金も大きいためどちらにしても隠しきれないためです。

また自分たちの戦略に追随してくれる資金が、彼らを有利にしてくれることもあります。地道に経済ニュースや著名な投資家のオピニオンなどを追っていけば、トップダウンアプローチのヒントも見つかります。専門の投資メディアを日頃から確認することで、大きな流れを見つけやすくります。

個人投資家に取り組みやすいのはボトムアップアプローチ

個人投資家が取り組みやすいのはボトムアップアプローチです。なぜならトップダウンアプローチは、突き詰めて考えるとシナリオ投資の一種だからです。

例えば、未来の金利の動向やテクノロジーの進歩などを分析・予測しても、未来の動向を正しく当てること自体が難しいことと同じです。ボトムアップアプローチで具体的なルール、例えばPERの数字やEPSの上昇率などの数字でスクリーニングをしたうえで投資対象を決める方が、個人投資家には取り組みやすいでしょう。

ボトムアップとトップダウンの2つの視点で投資判断する

ボトムアップの視点から個別銘柄をスクリーニングするのが、個人投資家には取り組みやすい投資法です。しかしトップダウンアプローチを無視して投資するべきではありません。大きな市場のトレンドや動向は、個別銘柄の業績などをかき消してしまうほど株価に大きな影響を与えるからです。しかし、経済誌や投資専門のメディアを丁寧に目を通せば、多くのトップダウンアプローチのヒントが隠れています。

例えば逆イールドのアノマリー、著名投資家の考えるシナリオなど、多くの情報が見つかります。ボトムアップの視点で選ばれた銘柄が、トップダウンの視点で追い風が吹いているかどうかを確認することで、よりボトムアップアプローチの投資法の確度が上がります。トップダウンアプローチを個人投資家が自力で行うのは難しいため、様々なニュースに振り回されてしまうと混乱のもとになります。どのトップダウンアプローチを信じるかという時点で迷いが生じるからです。

まとめ

投資法にはボトムアップアプローチとトップダウンアプローチの2種類があります。ボトムアップアプローチでは個別企業の業績をもとに銘柄を選択します。トップダウンアプローチは、マクロ経済などの個別銘柄以外の要因をもとに投資判断を下します。個人投資家が取り組みやすいのは、一般的にはボトムアップアプローチです。

個別銘柄をしっかりとルールも基づいて選定したうえで、ヘッジファンドや投資メディアなどで確認できるシナリオと分析を加味して投資するのが現実的でしょう。ボトムアップアプローチとトップダウンアプローチの2つの視点を通して、銘柄選択の精度を高めることが個別銘柄投資の第一歩です。(提供:The Motley Fool Japan


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