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「アジアトップの国際ハブ」香港で成功する日系企業とは?

国際性、税制、経済の自由度、プロ意識が高い人材が集まる環境など、「アジア屈指の国際ハブ」としての魅力に溢れる香港で、日本企業がビジネスを成功させる秘訣はあるのでしょうか。

香港が「アジア屈指の国際ハブ」と呼ばれる理由とは

HongKong
(写真=Cooler8/Shutterstock.com)

香港は国際貿易と金融を主力とする自由市場経済が特徴で、物品・サービス貿易の価値はGDPの約4倍に値します。米シンクタンクのヘリテージ財団が世界43ヵ国の市場開放度や法規制の効率性、金融・貿易の自由度などを評価した「経済自由度指数」では、24年連続世界1位に選ばれるほど、ビジネスがしやすい環境です。

また寛大な税制も、外資系企業を誘致する大きな要因の一つです。2018年4月以降の課税年度からは2段階の法人税制が導入され、これまで一律16.5%だった税率が、200万香港ドル以下の利益に対しては8.25%に引き下げられています。非法人事業主の場合は税率15%で、200万香港ドル以下の利益に対しては7.5%が適用されます。

中国本土を含む他のアジア地域への進出を試みる企業にとって、地理的にもビジネス環境的にもゲートウェイとしての最適な役割を果たしています。

香港に秘められた可能性に賭ける日系企業

日本企業は、飲食からファッション、メディア、人材派遣、製薬、不動産まで、広範囲な業種にわたり、香港に進出して成功を収めています。

スポーツ用品メーカーのアシックスは1996年、香港アシックスを設立。2018年12月現在、ライフスタイルブランド「オニツカタイガー」を含め8店舗を展開するかたわら、事業所の拡大を進めています。峰寿司を香港でオープンさせたジャパン・ダイニング・ワールドは、2014年に香港進出10周年を迎えました。その間に、売上高を日本の親会社の1.5倍強、従業員数を2倍に成長させました。

その他、クリーニングの恒隆白洋舎、日立キャピタル、大正製薬、百農社國際有限公司、和民國際有限公司、日本文化用品安全試験所 (MGSL)、日本経済新聞社などが香港で精力的にビジネスを展開しています。

透明性の高い評価制度などで優良社員を確保

海外進出を成功させる上で、現地における優良社員の確保は必須です。香港では終身雇用制度が定着しておらず、転職者が多いために理想的な人材育成環境が整っているとはいえません。

独立精神が旺盛で人間関係を大切にする傾向が強い香港人は、ビジネスシーンでも組織との付き合いより、個人との付き合いを重視します。転職者がより好待遇で社内環境の良い職場を求める点は世界共通ですが、香港では「給与よりも社内の人間関係に価値を見出す人が多い」点が特徴です。

経営方針や人事評価、上司が頻繁に変わる組織では、社員もなかなか定着しません。公正な人事評価制度によって、社員のモチベーションや会社へのコミットメントを強化することも重要になってきます。常に安定した透明性の高い社内環境作りを意識して、優良社員を育成しやすい環境を整えることが香港における人材確保では重要です。

人材強化とルールの厳守がビジネス成功の決め手

人材確保や育成など組織の基盤固めが重視される一方で、「パートナー選び」「情報収集」「ネットワーク作り」「明確な意思表示」といった内部・外部的要素も、ビジネス成功のカギを握っています。

現地ビジネスや規制への理解を深めるための綿密な調査および情報収集、進出・拡大をサポートしてくれるパートナーやネットワーク作り、日本では曖昧になりがちな「YES・NO」の意思表示を徹底することも大切です。お互いの意思表示が理解しづらい場合は、両者が理解できるまで何度でも説明をする・求めるぐらいの積極性が必要です。

ビジネスでも人間関係を重視する香港人ですが、だからといって私情を介入させることはなく、プロフェッショナル特有のドライさでビジネスを進めます。そうした意味でも、香港流の「ルール厳守主義」に徹する姿勢が日本企業にも求められます。無限の可能性を秘めた香港は、国際規模のビジネス展開を目指す企業にとって、理想の拠点となるでしょう。(提供:Global HR Online


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