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「いつかは住みたい」ミラノでの生活費

ファッションの中心地、ミラノ。ミラノコレクションの開催地であり、中心街には一流ブランドの本店や旗艦店がずらり。洗練されたショーウィンドウを見ているだけでも気分がアガります。

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2019.2.24
大聖堂ドゥオーモをはじめとした見事な建築物、レオナルド・ダ・ヴィンチの名画「最後の晩餐」など歴史的価値のある芸術作品があり、歴史を感じさせる街並みは、歩く人々もどことなくおしゃれ。一度は住んでみたい……と憧れる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、将来的にミラノに移住したいという方のために、ミラノ移住にかかる費用を試算し、一カ月あたりの生活費を項目ごとにご紹介します。

ミラノの住宅費は東京と同じくらい。ただし、光熱費は高い。

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ミラノでの賃貸物件を案内している掲示板を見てみると、狭めのワンルームで600ユーロ(約7万5,000円)前後、1LDKで1,000ユーロ(12万5,000円)前後と、東京の中心地と同じくらいの住宅費。ベッドや机など基本的な家具付きのものが多く、トランク一つで移住の夢が叶いそうです。ただし、古い建物が多く、築100年200年もザラにあります。古いアパートを借りてみたら文化遺産だった……なんて素敵な話もあるみたいですが、その一方で、扉が閉まらない、隙間風が入る、シャワーの出が悪い、窓際のカビがひどい…など、難あり物件の話もよく出てきます。住んでから不備がわかることも多いので、物件を探す際には現地の信頼できる日本人を頼るか、多少仲介手数料が高くても日本語のできる不動産屋を頼ってみるといいかもしれません。
なお、家賃を節約するのであれば、ルームシェアもオススメ。ルームシェアは、400~600ユーロ前後(約5万~7万5,000円)が主流。キッチンやリビングが共通ですが、ヨーロッパらしい趣のある部屋に住むことができ、現地の方との交流もできるため、短期滞在なら選択肢の一つに入れてもいいかもしれません。なお、日本人がシェアを募集している場合もあるので、言葉に不安のある方は、日本からシェア先を検索していくのもひとつの手ですね。
ただし、光熱費は賃料とは別に支払う場合が多く、値段も東京よりも高いことも。特にミラノの冬は厳しく、暖房費がかなりかかります。セントラルヒーティングのアパートでは冬の間だけ家賃が上がるところもあるそうです。1ルーム、ガス・水道・電気合わせて100ユーロぐらいで抑えるには、エアコンは使わない、厚着をして過ごす…などとかなり節約する工夫が必要。通常は、1ルームでも水道・ガス・電気合わせて200ユーロ(2万5,000円)程度覚悟しておいた方がいいでしょう。Wi-Fiなどのインターネット料金は月々数千円程度のようです。
したがって、ミラノでの住宅費(+水道光熱費)は、1ルームで月10万円程度と試算します。

食費は食べ歩きや自炊でリーズナブルに。友人との集まりは“アペリティーヴォ”を賢く利用して

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ミラノ風ドリア、ミラノ風カツレツ、ミラノサンドなど、「ミラノ」の名前を冠にしたメニューが日本にもたくさんあるぐらい、ミラノは食事文化が充実した街として知られています。
高級レストランのお値段がお高いのはさておき、現地の食べ物をリーズナブルに!を追求するなら、食べ歩きとスーパーマーケットがオススメ。パンツェロッティ(揚げピザ)が2.5ユーロ(約300円)、ピザが5~6ユーロ(約800円)、ジェラートが2段重ねで3ユーロ(約400円)など、1,000円もあれば十分にランチが楽しめます。イタリアの場合、着席すると席料が別途とられることが多いので、節約するなら断然食べ歩きです。
スーパーマーケットはイタリア食材の宝庫。壁一面ずらりと並ぶパスタ。別の壁面にソース。さらにリゾットやスープなどお湯を入れるだけで完成するインスタント食材も豊富でお値段も数ユーロとリーズナブル。パスタ全種類を試そうと思ったら毎日自炊でも何か月もかかるのではないでしょうか。
チーズやハムは日本のデパ地下で見るような高級そうなものがやはりケース一面、壁一面にずらり。量り売りしてもらえるので、食べたいものを毎日少しずつ食べるだけでもミラノの食生活を楽しめますね。高級食材が揃う老舗のマーケットで、総菜やデザートを買うのもオススメ。本格派イタリアンがレストランよりぐっとリーズナブルに楽しめます。
近年のヘルシー志向からか、イタリアのスーパーには日本食デリも充実。外食も寿司、てんぷら、ラーメンなど200店舗以上あるのだとか。値段はラーメン一杯1,200円~、すき焼きランチ約1,800円など、普段の食事には少し贅沢かもしれませんが、出せない金額ではないという感覚です。
なお、外食をリーズナブルに楽しめる習慣の一つとして「アペリティーヴォ」があります。アペリティーヴォは、イタリア語で「食前酒」の意味で、もともとは食事の前にお酒と軽食を楽しむ習慣として始まったものですが、前菜や軽食を食べ放題で出す店も多くあり、多くのミラネーゼに親しまれています。生ハム、サラダ、グリル、フライ、煮込みなど、前菜と呼ぶには豪華すぎるものを提供するお店もあり、移住したら是非、試してみたい習慣のひとつ。前菜のお値段はドリンクの料金(約10ユーロ~)に含まれているというのも嬉しいですね。
以上を総合すると、普段は自炊で、たまの外食にアペリティーヴォを利用する程度なら、月々3~4万円と考えてよいのではないでしょうか。

交通はミラノカードなど乗り放題券の利用がお得。

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ミラノの市街地には地下鉄、バス、トラムなど公共交通機関が充実しています。チケットは共通で、1乗車につき1.5ユーロ(約280円)。1度改札を出てしまうと使えなくなりますが、90分以内なら距離や乗換回数の制限はありません。24時間乗り放題の1日券(4.5ユーロ=約560円)や、回数券(10回 13.80ユーロ=約1,700円)などを使いこなせば、日本の電車や地下鉄よりかなりお得に。
さらにオンラインや特定の場所でしか買えませんが、タクシー1回分の乗車も無料になる「ミラノカード」というものがあります。こちらは1日券が8ポンド(約1,000円)。美術館が割引になるなど、どちらかというと観光客向けのカードではありますが、通常の1日券と用途によって使い分ければ交通機関をお得に使えます。
なお、タクシーの初乗り料金は、平日が3.3ユーロ、日祝日は5.4ユーロ、深夜21時から朝6時までは6.5ユーロ。ミラノ市内であれば、20ユーロ以内で移動可能です。
駅周辺には特定の場所に乗り捨て可能なバイク・シェア(自転車のシェア)もあります。様々な移動方法を試すのも時間にゆとりのある移住ならではの楽しみですね。
ミラノ市内に住み、移動は1日1往復、地下鉄やバスなどの公共交通機関を利用すると考えると、交通費は1日3ユーロ(×20日)。休日は24時間乗り放題の1日券4.5ユーロ(×8日)を利用すると考えると、1カ月の交通費は、およそ100ユーロ(1万2,500円)程度と計算することができます。もちろん、移動手段や住む場所により金額は変わってきますので、ご自身の生活スタイルを考えて試算してみてくださいね。

家族連れは医療費と教育費も計算に入れて

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3カ月以上滞在をする場合は、イタリアの国民健康保険制度にあたるServizio Sanitario Nazionale(セルヴィッツィオ・サニタリオ・ナツィオナーレ、訳してSSN)に加入することができます。就労ビザの場合は加入が義務付けられていて、保険料は給与から天引きされるようです。SNNに加入していると、かかりつけ医の診察や国立病院での治療が無料になるなどの特典があります。(※すべて無料ではなく、一定の条件を満たした場合に限られます。)
保険料は1月1日から12月31日までの1年間で、149.77ユーロ(約1万8,700円)。なお、10月から翌年3月までの半年間滞在など、年をまたぐ場合は2年分の保険料(299.54ユーロ)が必要です。月割りなどはないのでご注意を。
家族連れの場合は教育費も気になります。イタリアでは小学校5年間と中学校3年間が義務教育ですが、授業がイタリア語なので、日本語しかわからない子どもには入学が難しいと考えられます。外国人向けの教育機関では、ミラノ日本人学校の場合、年間の授業料・経費など合わせて約7,000ユーロ(約90万円)、インターナショナルスクールの場合、約1万2,000ユーロ(概算・約150万円)、アメリカンスクールの場合、約2万ユーロ(中学生で試算・約250万円)かかるようです。
幼稚園の場合、公立は給食費のみ、私立でも月10~20ユーロ程度だということなのであまり心配しなくてもよさそうですが、小学校以上のお子さんがいらっしゃる場合は、それなりの教育費を用意しておいた方がよさそうです。
以上を総合すると、ミラノで暮らすために必要な生活費は、単身・ワンルームで1人暮らしの場合、1カ月あたり約15~16万円と試算できます。節約のカギは、光熱費と食費にありそうなので、節約派の方は光熱費込みのルームシェアを探しつつ、食費を抑える方向で考えるとよさそうですね。
森野くま

森野くま

一応、帰国子女。生活したことがあるのはインドネシアのジャカルタ(約2年半)、アメリカ・ニューヨーク(4カ月)、ロンドン(1カ月)。方向音痴なのに海外でよく道を聞かれます。

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